俺は住んでいた、おっ母ぁやお父うと アルバート通りに——ここもそうだといいが ここは医療大隊で俺は べットの上で全身包帯だらけ 俺たちに位って何だ、クラーワって何だ 看護婦さんでこの世のすべて ? 隣りが死んだ、右の奴が 左の隣りはまだ死なない ある時—— 熱にうなされてか そのお隣り、つまり左の奴が 急にこういった——おい、若いの ! おめぇは足がないぞ どうしてだ ?そんなことねぇだろ 奴、冗談言ったんだよな 切りとるのは指だけだ 軍医さんがそう言ってたもの ! だがお隣りさん、左の奴 いつも笑って、いつも冗談 夜中に寝言いう時だって いつも足のことばかり からかいやがるんだ、立てねぇぞって もう女房に会えねぇぞって 同志、見てみなよ 自分のことを脇からよって 俺が片輪じゃなかったら べッ卜から降りられたら 奴の、つまり左の奴のよ 喉を噛み切ってやるんだが 看護婦のクラーワに頼んだよ 俺がどうなったか見せてくれって もし隣りが生きていたら、右の奴がよ 本当のことを言ってくれたろうに
© 宮沢俊一. 翻訳, ?