俺は幸い背も高く顔もいい ありがとうよ、、おやじおふくろ つき合いも良く、喧嘩もしねぇ へつらいもせず、まっすぐ歩いた 人を恐れず、まともに暮らした 足りない頭は両手で助けた             放浪のあと故郷へ戻った 長い放浪の暮らしだった この年齢は重く、棄てるも売るもかな;わない だが所長に出会った 言葉巧みに誘いやがって ウラル越えのトラック野郎にさせられた 道路だ、道路にトラック そいつがエンコしやがった キャビンは暗闇——相棒は三時間も黙ってる 声を出しやがれ、腹が立ってくる 帰るも五百キロ——行くも五百キロ 相棒は歯の根も合わず『剣の舞』 二人ともコースは知ってた 建設現場が俺たちを待ってることも 俺たちの仕事は運転だ、夜中であろうとなかろうと こいつは困った、正月が近い 帰るも五百キロ、行くも.五百キロ 警笛も無駄だ、この吹雪、助けはないよ ! エンジンを止めろ - と、奴が言う こんなトラック消えてなくなれ 分からねえのか、どうしようもねえよ 分からねえのか、どこへ行くのも五百キロだ 夜中までに雪にうまって 葬式の必要もなくなっちまうぞ 俺は答える——ぐだぐだ言うな ! ところが奴は、モンキー・スパナ手を伸ばす 狼のようににらむ、が、こういう奴よ どうだって言うんだ——どこへ行くにも五百キロ だから生き残った方が 俺はは正しかったと言える、助けられたとき この相棒、親類以上にに親しかった 一つ釜のめしをくった仲だ だが今はこの目つき、背中に寒気が走る わかったぜ - どこへ行くにも五百キロ 誰にも分かりゃしねえんだ 奴が忘れてしまったことを、俺たちの仲を 奴は立ち去った - どこか脇へ 俺は勝手にさせ、横になった そして夢にみた、かつての楽しいやりとりを どこへ行くのも五百キロを 俺は門の出口を探す 出口はなく、あるのは入口、それも別の入口 話は簡単——牽引車が来てくれた ロ一ブもあったし医者もいた トラックは目的地に行き着けた 奴も来たよ、震えながら、で、また長距離仕事さ 俺は人の悪意は忘れてしまう、 また奴と一緒に働くのさ
© 宮沢俊一. 翻訳, ?